こんにちは!!
今回はノベルゲームこの大空に、翼をひろげての感想を紹介します。
私の人生にとってすごく大切なことを思い出させてくれた大事な作品になりました。
一体どんなストーリーなのか、どうして人生なんて大げさな話につながったのか、いろいろと感想を書きつづっていきます。
ゲームの紹介
まずはこのゲームについて紹介します。
この大空に、翼を広げてはゲームブランドPULLTOPより2012年に発売されたノベルゲームです。
PC、Steam、Switch、PS3、PSvitaで遊べます。
今ですとSteamやSwitchが手に入りやすいのではないかと思います。
作品としては
- 本編「この大空に、翼をひろげて」
- ファンディスク「この大空に、翼をひろげて FLIGHT DIARY」
- 小鳥メイン「この大空に、翼をひろげて SNOW PRESENTS」
の3作があり、私は本編のみクリアした状態でこの記事を書いています。
いわゆる美少女ゲームで何人かいるヒロインごとにルートが分かれていて、それぞれのストーリーを楽しむことができます。
シナリオはATRI My Dear Momentsを手掛けた紺野アスタさんです。
ATRIも名作なので是非プレイしていただきたい作品です。
ストーリー
一言で言えば学園青春ものです。
高校の部活で困難に立ち向かいながら目標に向かって頑張るという王道ストーリーです。
その部活というのがソアリング部です。
私もこのゲームをするまで聞いたことがなかったのですが、グライダーを扱う部活です。
グライダーもゲームをするまで名前しか知らなかったのですが、エンジンなしで飛ぶ飛行機です。
このグライダーを自分たちで作って夢見た景色を目指すというものです。
美少女ゲームなので部員は主人公が男性で後は攻略対象の女性というハーレム状態です。
変わった購入経緯
実は私はこのゲームの英語版をプレイしました。
日本のゲームなのになぜ英語でプレイすることになったのか、それにはわけがあります。
もともとテキストを読む形式のゲームが好きで何か感動するゲームないかなとネットで探していたらこのゲームを見つけました。
「タイトルが某名曲みたいだな」と思いながらSwitchで見るとちょうどセールで1500円くらいでした。
念のためSteamでも調べてみたらなんと数百円。
実は私、海外に住んでいます。
そのためSteamはその国のバージョンになっており価格設定も日本と異なります。
ノベルゲームは海外では日本ほど盛んではないらしく、日本よりも安くなっていることがあります。
「マルコと銀河竜」というノベルゲームも500円くらいで買えました。
ということで数百円ならば買うしかない!!と思ったのですがまさかの英語のみ。
数百円なら途中で投げ出しても無駄にならないかと試しに買ってみました。
ちなみに住んでいる国は英語圏ではないので英語はそれほど上手ではなく、英語の勉強にもなるだろうということで買ったのもあります。
プレイした感想
ということでプレイした感想は本当に素晴らしい作品でした。
部活をテーマにした王道ストーリーですが、だからこそ胸熱の展開でした。
私はドラマ「ウォーターボーイズ」や漫画「ちはやふる」が大好きなのですが、それに通じるものがありました。
話の流れとしては問題を解決したらまた次の問題が出て、というものなのでアニメにしてもいいのではと思いました。
が、後になって知ったのですがこのゲーム18禁でした。
美少女ゲームというものをほとんどやったことがなかったのでよく分からなかったのですが思い返して見るとSteamのページを開くときも生年月日を聞かれたような気がします。
ちなみに買ったSteam版は全年齢対象になっているのでそういったシーンはありませんでした。
私としてはストーリーに夢中だったのでそういったものがない方がむしろよかったです。
美少女ゲームなので各ルートでヒロインと恋人となってイチャイチャするシーンがあるのですが、それよりも部活のあの問題どうするんだよ!とそっちばかり気になっていました。
ここからネタバレ込みの感想
メインヒロインが車椅子の子というのは最初ビックリしました。
この車椅子のデザインが近未来な感じがして好きです。
この車椅子の女の子こと小鳥と出会ったときのことが終盤に繋がるのもよかったです。
小鳥ルートの終盤に登場する紙飛行機の意味を自分で気が付けたときはハッとしました。
小鳥も数年前のケガで歩けなくなって退学を考えていたのにグライダーと出会ったことでどんどん明るくなっていくのが見ていて嬉しかったです。
主人公の碧くんも自転車部でケガを負って逃げるように舞台となる町にやってきましたが、グライダーを通じて過去とも向き合いグライダーに専念して行きます。
私がプレイするノベルゲームの主人公はみんな部活や学校をドロップアウトして逃げるように越してきたところから始まるのですが、これはよくあるパターンなのでしょうか?
それほどたくさんの作品をプレイしていないのでよく分からないですが、挫折から立ち直るのは見ていると気持ちが明るくなりますし、応援したくなりますし、自分も頑張ろうと思えます。
小鳥と碧が入部するソアリング部に元からいたのが留年生の天音です。
留年している年が何年にもわたっているので伝説的な存在となっています。
年齢は不明ですが、20代前半のように思います。
その年齢で制服を着ているのですからコスプレですね。
天音は頭が悪いからずっと留年しているのではなく、超天才だから特別に留年をずっとさせてもらっています。
留年をあえて続けている理由はグライダーを通じてかつての友達との約束を果たすため。
そのためにたった一人でグライダーの制作を続けており、小鳥と碧がそれに手を貸すために入部しました。
私の一番の推しはこの天音です。
天才ゆえに他が抜けているところ、一番年上なのに一番子どものようにはしゃぐところが魅力的です。
他にも主人公の幼馴染のあげは、後輩で双子の亜紗(あさ)と依瑠(よる)が部員としています。
この3人も攻略対象で他にも生徒会長も攻略できるバージョンがありますが、私が買ったものに生徒会長は含まれませんでした。
空に向かう真っ直ぐな気持ちに胸を打たれた
私がプレイしたルートは
小鳥⇒あげは⇒亜紗⇒依瑠⇒天音
です。
最初の小鳥だけは自分が思う選択肢を選んだらこのようになりました。
それ以降は攻略サイトを見てこのようにしました。
共通ルート
まずは共通ルートについてです。
そもそもこのソアリング部の目的はモーニンググローリーの上を飛ぶことです。
モーニンググローリーとは気象現象の一つで、明け方のみ出現する雲が真っすぐ横に連なる現象で実在するものです。
日本では起こるものではないのですが、物語上住んでいる町の環境では何十年に一度発生するものとされています。
小鳥が寮の自室で見つけた以前住んでいた人の手帳のやりたいことリストに載っていた「空の回廊を渡りたい」という言葉と実際の写真を見つけたことでソアリング部の目標となりました。
不器用な天音が自作したグライダーでは飛べないということでロボット部で技術がある幼馴染のあげはの入部によって精巧なグライダーが完成し、奇跡的にその8月の終わりにモーニンググローリーが出現します。
碧と天音の二人が二人乗りのグライダーに乗ってモーニンググローリーを目指すもあと一歩で終わってしまいます。
そしてそれを機に天音は引退、同時に部室であった拠点が学内寮建設のために破壊され一瞬にして碧たちは多くを失います。
それでも水面下で1年かけて準備を続け、新たなる双子の後輩と新拠点を手に入れて再びモーニンググローリーを目指します。
これが共通ルートの大まかな流れです。
ルートによって微妙に異なる部分がありますが、2回目のモーニンググローリーを目指す部分で各ヒロインのルートとなります。
小鳥ルートに感動
最初にプレイした小鳥ルートは素晴らしすぎてこれ以上のものなんてないのではと思いました。
小鳥はかつて旅行中に乗った気球が墜落したことで歩けなくなりました。
それがきっかけで家族とも気まずくなって寮があるこの高校に来ました。
そこでグライダーや碧たちと出会って本来の明るさを取り戻していきます。
しかし小鳥はソアリング部において秀でたところがありません。
技術力抜群のあげは、パイロット免許も取得した碧、天才で設計図やシミュレーターも作れる天音。
技術も知識もない上におまけに足も不自由です。
しかし天音引退後に部長になるのは小鳥でした。
私はてっきり主人公の碧だと思っていたので驚きましたが、「誰よりも情熱を持っている」から部長に相応しいとなりました。
ちょっとここでウルッと来てしまいました。
グライダーは本来ペダルを踏む必要があるため足が不自由な小鳥は操縦できません。
しかし小鳥ルートでは足の代わりに手で操縦できるようにと小鳥のために改良を施すことで小鳥も操縦できるようになりました。
ところがそれを家族に知られてしまい、おまけに事故に巻き込まれたことで家族に強制的に実家に連れて帰らされることになりました。
小鳥も家族にこれ以上迷惑かけられないからと実家に帰ることにしましたが、残された紙飛行機を見た碧が連れ戻したことで見事モーニンググローリーにたどり着くことができました。
この紙飛行機とは二人の出会いのきっかけになったもので、小鳥にとってのSOSでした。
本心を知った碧はケガで諦めた自転車に乗って町を離れるギリギリのところで小鳥を捕まえて見事夢を果たすことができたのです。
ここの終盤の盛り上がりがまさにクライマックスで「いけー!!」と思いながら読んでいました。
小鳥の魅力は途中でも紹介した「グライダーへの情熱」です。
周りの大人は足が不自由なのにそんなものに乗ろうなんて危険だと反対します。
まして気球の墜落という空でのトラブルなのでトラウマになってもおかしくないものなのでなおさら反対します。
しかし小鳥はそれでもモーニンググローリーに行くことを諦めません。
その理由はただただ「行きたいから」、これだけです。
シンプルだけども強い言葉に思いました。
私は海外に住んでいると紹介しましたが、実は別の目的があります。
実際には仕事をしているのでここでも生計は立てられます。
そして
日本に帰って普通に社会人として働くのもいいよな
とか
その目的を果たしてどうしたいのか
とかいろいろと考えていました。
しかし小鳥の「行きたいから」という単純明快な言葉を聞いて、「それでいいんだよな」と感じました。
大人として論理的に現実的に物事を考えないといけないと思っていましたが、本音を言えば私も「行きたいから」これだけです。
大人として考えねばいけないと思っていたことは誰かを納得させるためのものだったのだと気が付きました。
あの日見た憧れをもう一度手に入れに行きたい、それが私にとってのモーニンググローリーだと。
もちろん論理的なことや現実的なことに落とし込まないと理想は実現しません。
しかし、原動力事態は憧れという純粋なものでいいのだと思い出しました。
それに気が付けたことが私にとって大きな収穫でした。
最高を超えた最高
このように小鳥ルートで私の人生で大事なことはなんだったのか思い出せたので、これを超えるものはないのではと思いました。
しかし天音ルートはそれ以上でした。
話の都合上あげは、亜紗、依瑠ルートは省略しますが、それぞれの良さが十分に出ていて良かったです。
天音は私の推しだったのものありますが、ストーリーの謎をみんな回収してくれたのでよかったです。
天音は天才だけど抜けたところがあるのが魅力的なのですが、感情の起伏が緩やかです。
まったりした性格なので穏やかなのですが、天才だから先が分かってしまうので起伏が緩やかなのだと感じていました。
依瑠も天才キャラなのですが、こちらは上から目線でハッキリものを言うのタイプなので天音とはまた違うキャラですが、感情の起伏で言うと天音に似ている気がします。
しかし天音ルートでは天音の感情の浮き沈みがかなり激しいです。
自暴自棄になって自らグライダーを破壊しようとしたりとギョッとするところもありますが、普段穏やかな分感情の吐き出し方が分からないのだろうと思いました。
天音が長年留年までしてグライダーの活動を続けてきたのはイスカという友人がモーニンググローリーを見せると約束したためでした。
しかしイスカは突然と姿を消してしまいます。
しかもそれはグライダーの事故の遭ったことが関係しているということから読んでいるともうこの世にはいないと思わせてきます。
この天音ルートで実は生きていると明らかになり、最後に天音と再会するのは感動的でした。
やたらと妨害活動してきた飛岡先生の気持ちもちゃんとここで明かされて単なる悪者で終わらせなかったのもよかったです。
実は天音ルートは小鳥ルートをクリアしないと見れません。
それはこういった謎を解明するためのものだったからと思います。
すべてのもやもやが明かされ、モーニンググローリーにも到達し、イスカとも再会する。
そして一番最後のセリフは「この大空に、翼をひろげて」というタイトル回収。
これを天音が言うのだから実質メインヒロインなのではと思いました。
いえ、私にとってはメインヒロインです。
いずれにしても読み終わった時は雲一つない青空のような晴れ晴れとした気持になりました。
そしてどのルートでもそうなのですが、2回目のモーニンググローリーに着く時はめちゃくちゃ感動します。
ついにここまで来たのだなと感慨深くなります。
共通ルートがとにかく長いので読者としてもついにたどり着いたと登頂したときのような気持ちになります。
この時のBGMがお気に入りなのですが、すべての実績を解放するとタイトルがモーニンググローリーの画像に変わり、このBGMが流れます。
すべてを見届けた人だから見れる景色というのが主人公たちのモーニンググローリーにたどり着いたときの感動にリンクしてここでも感動。
一番好きなこのBGMの名前がモーニンググローリーというのを後から知ってさらに感動と感動しまくりました。
BGMは全体的にお気に入りばかりです。
英語でプレイしてみて
さて、余談ですが今回英語版でプレイしてみましたがめちゃくちゃ時間がかかりました。
プレイ時間60時間ほど。
主人公以外の登場人物は日本語音声があるのですべて聞いていたらこれだけ時間がかかりました。
ちなみに英語の文章についてですが、正直そこまで難しくなかったです。
知らない単語があっても話の流れから分かりますし、何度も出てくる知らない単語は調べて勉強になりました。
しかし英語ならではの問題がありました。
それは呼称と言葉遣いが分からないという点です。
日本語だとため口や敬語がありますが、英語では分かりません。
一人称はIなので主人公は自分のことを俺なのか、僕なのか分かりません。
一番の問題は天音ルートの最後でした。
最後にお互い下の名前で呼ぼうとなるのですが、60時間プレイしてきてずっと下の名前で呼んでいたと思っていました。
というのも、主人公が天音を呼ぶときはAmaneと書いてあるためです。
しかし実際はずっと先輩と呼んでいたことを知り衝撃的でした。
小鳥は天音に対して先輩だけどため口、あげははずっと敬語を使っているのを音声を聞いて分かってはいましたが、果たして主人公はどっちだったのだろうと分からないままです。
まさかこんなところで英語の弊害が出るとは。。。
まとめ
長くなりましたが以上が「この大空に、翼をひろげて」のレビューです。
ちなみにYouTubeには4コマ動画がいくつもあるのでプレイ後に見ると面白いです。
実は2作目はすでに購入済みです。英語で。
またあの世界に行ける楽しみがある半面、それを終わらせるのがもったいないという気持ちでまだ手を出せずにいます。
とにかく
・胸熱の学園青春ドラマ
・夢の原石を思い出させてくれた
・空を見上げるようになった
です!!
それでは!!