こんにちは(^o^)
今回は一緒に行きましょう逝きましょう生きましょうというゲームを紹介します。

ジャンルはノベルゲームですが、分岐もない一本道のストーリーで、プレイ時間も5時間くらいとサクッと遊べます。
- プレイしたきっかけ
- あらすじ
- ネタバレなしの感想
- ネタバレ有りのあらすじ
- 起:一緒に行きましょう
- 承:一緒に逝きましょう
- 転:一緒に生きましょう
- 結:一緒にいきましょう
- ネタバレありの感想
- ソクラティックラブ
- おはようと夜明け
- まとめ
プレイしたきっかけ
以前GooglePlayの無料期間中に最悪なる災厄人間に捧ぐという別のノベルゲームを遊んでとても好きだったのですが、同じ会社がそれよりも前に作ったのがこの一緒にいきましょうだと知り遊ぶことにしました。

また、DMMポイントの期限が迫っているときにその存在を知ったのも大きかったです。
しかしこのゲームをインストールして遊ぼうとしたら起動に必要なソフト電池でエラーが起きてしまい数ヶ月遊べない状態になりました。
最終的に自力で解決策を見つけてプレイするに至りました。
その解決策はこちらをご覧ください。
あらすじ

学生である鏡夜はふと目を覚ますと廃墟にいました。
身に覚えがない場所に驚くとともに、自分の身体が何かで拘束されて動けないことに気が付きます。
そこに長髪で顔が隠れている白髪の少女が近づいてきました。
しかしその少女は突然悲鳴とともに体から血を流して死んでは生き返りまた死ぬを繰り返しながら近づいてきます。
化物に襲われると怯えましたが何故か少女は立ち去りました。
助かったと思ったものの、それ以降誰も来なくなり動けない体ではどうしようもないので、忘れ物を取りに戻ってきたその少女に他の人間がいるところに運んでもらうように頼んで2人の旅が始まりました。
ネタバレなしの感想

私はこのお話はとても好きですが、正直人を選ぶと感じました。
死に続ける少女と動けない少年の旅なのですが、常に死が付きまとうため明るくないです。
プレイするきっかけとなった最悪なる災厄人間に捧ぐの方が鬱展開が辛く長かったですが、それでも明るい気分になりたい時に読むものではありません。
しかし二人が困難に乗り越えていく場面は感動しましたし、過去のシーンがあとから響いてくるのは思わず声が出てしまうほどのめり込んでしまいました。
ネタバレ有りのあらすじ
ここからはネタバレ全開でお送りします。
まだ未プレイの方は遊んでからまた見に来てストーリーを思い出したり、感想のすり合わせをしましょう。
ストーリーは次のように起承転結で進みます。
起:一緒に行きましょう
承:一緒に逝きましょう
転:一緒に生きましょう
結:一緒にいきましょう
え?訳が分からないって?
一つずつ解説するので先に行きましょう。
起:一緒に行きましょう

ここからは先ほど紹介したあらすじの続きです。
少女に抱えられて外に出るとそこには崩壊した世界が広がっていました。
少女曰く、人間が戦争を起こした結果世界は滅びたのだそうです。
そして神様はこの少女を生き返らせ、世界を滅ぼした罪を償うよう使命を与えました。
それは地球上の哺乳類の死をすべて追体験することでした。
そのため少女は何度も生死を繰り返していたのでした。
鏡夜はそれでも自分と同じようにどこかにまだ生きている人がいるかも知れないからそこまで連れて行ってもらうよう頼みました。
少女は生前の記憶がほとんどなく、感情も知識も皆無な、ただ淡々と使命をこなすロボットのような存在でした。
始めは服すら着ていなかったので廃墟で見つけた白のワンピースを与え、顔を隠す髪を切り人間らしい見た目にし、あさぎりという名前も与えました。
加えて物の名前を教えたりボーリングの遊び方を教えたりと楽しいことを知ってもらうように努めました。
少女は自分は苦しむべき存在であり、楽しいことなんてまるで禁忌かのように拒みましたが、楽しみを知ればより苦しみも深くなると説得したのです。
承:一緒に逝きましょう

楽しいことを教えてもあさぎりは死の追体験を毎日続けました。
鏡夜は体が動かないままで離れたところからその様子を見るだけでした。
次第にその光景に慣れた自分に恐怖を抱き、追体験するときは自分を抱えたままでするようにお願いすると鏡夜も死の追体験をすることができました。
しかしそれは想像を絶するほど恐ろしいもので鏡夜は気が狂いそうでした。
それでもあさぎりだけにこんな目には遭わせたくないと思い、追体験していることを隠して一緒に逝く日々が始まりました。
転:一緒に生きましょう

一緒に逝くことはできても鏡夜は夜になると何故か強制的に寝てしまいます。
そんな日々の中、あさぎりは時計を見つけました。
日付を見ると鏡夜の時代から2000年以上経っており鏡夜は絶望しました。
さらに別の所で東に生き残りがいるかも知れないと知り、ついに生き残りを見つけましたがそれはむき出しの脳が透明なケースに入れられた人間とは言えない異形の生き物でした。
その異形にあさぎりは襲われましたが、首の後ろにある黒いパーツを剥がすとあっさり死んでしまいました。
そして死の追体験でこの異形は自殺できないようプログラムされているからあさぎりに殺してもらったのでした。
そしてその家にあった鏡を見て鏡夜もまた同じ異形の存在だと知り絶望します。
鏡夜はあさぎりに鏡の前で向き合うように置いてもらうようお願いしてここで一生を過ごすことにしました。
しかしあさぎりは何度も戻ってきてどんな異形だろうと自分には鏡夜は鏡夜であり、なくてはならない存在だと訴え二人は旅を再開しました。
ある日鏡夜はあさぎりに追体験をしない休暇を提案します。
あさぎりは使命をしなければとウズウズしますが、鏡夜の言う通り我慢し、ベッドや机などを置いて人間らしい暮らしをしてみました。
しかし数日後あさぎりは衰弱して死んでしまいました。
実はあさぎりは死を追体験すると新しい体に切り替わり、それをしないとすぐ死んでしまう体だったのです。
それはあさぎりの意思で使命をしていたのではなく、神様に仕組まれていたことを意味します。
そこからあさぎりは使命を優先するようになり、鏡夜が止めても言うことを聞かなくなりました。
そして鏡夜はうっかり今見た死の追体験の内容を話してしまい、これまでずっと一緒に追体験していたことをあさぎりにバレてしまいます。
自分がしてしまったことへの後悔と嫌悪がある一方で鏡夜と苦しみを分かち合えることへの喜びと甘えが生まれ、感情がぐちゃぐちゃになってしまいます。
そしてあさぎりは鏡夜を残して去ってしまうのでした。
取り残された鏡夜は再びあさぎりに会うために体が動けるように念じ続けました。
建物が風化するほど、何千年かも分からない時間をかけてついに動けるようになった鏡夜はあさぎりを探し始めます。
あさぎりはところどころにおはようという文字を残していました。
それは鏡夜が眠りから覚めた時にお互いに交わすお決まりの挨拶でした。
鏡夜の後頭部には黒いソーラーパネルがあり、夜は動けないのでした。
しかも翌朝起きていたつもりがかなり長い間毎度寝ていたことを知り、いつもどんな思いであさぎりは鏡夜のおはようを待っていたのかと思うのでした。
そしてついに鏡夜はあさぎりを見つけます。
始めはまた幸せになったら苦しさが大きくなると鏡夜を拒みましたが、必死の説得で二人で旅をすることを誓いました。
結:一緒にいきましょう

お互いがそれぞれの苦悩をぶつけ合ったことでその後は順調に進みました。
そしてついにすべての死の追体験を達成しました。
しかし何も起こりません。
そこで鏡夜はかつて自分の正体を知ったときを思い出し、自分の死をあさぎりが追体験しないと終わらないと悟ります。
そのことをあさぎりに伝えると猛反対されます。
しかしこのままではただあさぎりが周期的に死んで生き返るだけの何の進展もないままです。
それに二人でここまでして来たのを反故してはいけないとあさぎりを説得します。
そしてあさぎりは鏡夜のソーラーパネルを剥がしてその手で命を終わらせました。
絶望の中、鏡夜の死の追体験をすると鏡夜の想いが伝わってきました。
鏡夜はあさぎりと出会えたことは幸せだったけど、お前はどうだと問うて消えました。
絶望の涙の中あさぎりは幸せだったと何度も叫びました。
すると何千年降ってなかった雨が再び降り始めました。
そこから地球には海が生まれ、植物が生まれ、その長い過程の中あさぎりは一人生き続けました。
そしてこれまでの話から夢見心地で目覚めた俺という存在は目の前のあさぎりに一緒にいきましょうと手を差し伸べられるのでした。
ネタバレありの感想
この絶望しかない世界の中で最後二人はどうなるのか気になって仕方が有りませんでした。
鏡夜が人間ではないこと、最後は鏡夜を殺さないといけないことは途中で気付いたのですが、その先はどうなるのかあれこれ考えながら読むのが楽しかったです。
最後、あさぎりは鏡夜と再会できたのかは読者に委ねる終わり方ですが、私は別の存在だと考えます。
鏡夜によって幸せとは何なのか知ったあさぎりが違う存在にこれからそれを伝えていく終わり方のが好きです。
ソクラティックラブ
鏡夜の正体は人間ではなく、脳むき出しの人造人間でした。
どうしてそうなったのかは説明がないので想像するしかありません。
鏡夜は鏡を見るまで自分は人間の体をしていると思い込んでいるため、人間として扱うように要求することであさぎりを困惑させていたのもこれの伏線でした。
鏡を見た鏡夜はこんなのは人間ではないと絶望しますが、あさぎりにとって見た目はどうであっても鏡夜は鏡夜なので何故取り乱しているのか分からず食い違いが起きています。
ここを見てRADWIMPSのソクラティックラブという曲を思い出しました。
メジャー3枚目のアルバムアルトコロニーの定理の一曲なのですが、自分の見た目がぐちゃぐちゃになっても自分は自分と言えるのかと問いかけています。
このアルバムのジャケットそのものがそれを象徴していると感じますが、まさに鏡夜のことを指しているように感じました。
歌の最後では星座が全然その形に見えないなら自分は何だって…で締めくくられます。
実は作中であさぎりは夜に寝てしまう鏡夜の代わりに星空を覚えて地面に描いて教えようとします。
その中でオリジナルの星座を考案します。
そういったところもこの曲を彷彿とさせるもので、魂の部分で鏡夜は鏡夜だと認識しているのだと感じました。
おはようと夜明け

このゲームのキーワードの一つはおはようです。
強制的に寝てしまう鏡夜に対してあさぎりは目覚めるまでずっと名前を呼び続けます。
ずっと呼ばなくても起きたらおはようというからということでおはようがお互いの挨拶になりました。
その後あさぎりが鏡夜を置いていったときも鏡夜はあさぎりが書いたおはようの文字を追ってあさぎりを見つけます。
和解した後は世界中におはようを刻み続けました。
このことからおはようは重要なキーワードであることは明らかです。
また本作は章立てになっており各章の名前は昼や夜、最後は夜明けとなっています。
夜明け、つまりおはようを言う時間なのです。
作中で鏡夜は死は眠るとも言うとあさぎりに教えます。
つまり眠りから目覚めてのおはようは死の終わりを意味します。
それはどんな絶望にも明るい夜明けが待っているという希望の言葉でもあり、鏡夜があさぎりに伝えたかったことでもあります。
何億もの死を追体験しなければならなかったあさぎりにとっておはようとは救いの言葉だったのではと感じました。
まとめ
以上が一緒にいきましょうの感想です。
絶望しかない暗い世界の話でしたが、おはようというわずかな光によって幸せになれたあさぎりが報われてよかったと感じました。
それでは(^^)/~~~