こんにちは!
今回はレイジングループのネタバレ全開の内容でお届けします。
そのため、未プレイの方は前回の記事をご覧ください。
ここではあらすじをおさらいしてから内容の解説をしていきます。
話の展開
まずはストーリーのおさらいです。
起承転結で書くと以下の通りです。
起:藤良村の恐怖体験
承:人狼ゲーム
転:大いなる陰謀が出現
結:解決編
それではそれぞれ見ていきましょう!!
起:藤良村の恐怖体験
ここは前回のあらすじで紹介した内容と同じです。
主人公である房石 陽明は深夜に山道に迷い、コンビニの店員さんの案内でたどり着いたのが物語の舞台である藤良村でした。
村には謎の巨石が点々と建てられていたり、現代日本とは思えないほど貧しい建物や村人がおり、陽明は違和感を感じます。
村に来る際に壊れてしまったバイクを直して村を出ようとした矢先、突如村を霧が覆います。
第一村人の芹沢 千枝実の指示により個人トイレで一晩鍵をかけて朝まで閉じこもれと意味不明な指示に従う陽明は外から悲鳴を聞きます。
何事かと飛び出したその先には半人半狼の怪物、まさに人狼を見つけます。
そしてその人狼に陽明は殺されてしまいます。
が、ここで終わりではなく謎の羊のマスコットキャラクターによって死に戻り能力が発動し、時間を遡ります。
再びトイレに閉じこもる場面までたどり着いて今度は外に出ないでいたら無事朝まで生き残ることができました。
こうして陽明は何度も死に戻りを繰り返すことで真相を目指すことになります。
朝を迎えると村に取材にやって来た2名が無残な姿で殺されていました。
そして村人たちは村の掟に従って宴と呼ばれる人狼ゲームを始めました。
承:人狼ゲーム
このような形で人狼ゲームに参加することになりますが、人狼ゲームはこのゲームでは3回行います。
それぞれのルートには異なるヒロインがいます。
簡単にまとめると
1回目:傍観者ルート⇒千枝実
2回目:へびとして参加したルート⇒李花子
3回目:人狼ルート⇒春
です。
それぞれのルートについてここから紹介します。
①傍観者ルート
村に霧が出たことで生き残った陽明は村に残ることを余儀なくされます。
しかしこの時の陽明の立場は特殊だったこともあり、人狼ゲームこと宴の参加は免除されました。
ここでは陽明は千枝実にアドバイスをする立場に徹しました。
千枝実との関係も深まっていきつつも、人狼ゲームとは無関係の不可解な死も頻発しました。
しかし最終的には人狼チームの勝利によって負けてしまいます。
②へびルート
死に戻りによって今度は陽明は村の住人として潜入することで宴に参加することにしました。
これにより狼や加護を持つ人の振り分けが変わり、陽明はへびの加護に選ばれ、毎晩選んだ人が人か狼か知ることができる立場になりました。
このルートでは藤良村を牛耳っている4大名家の1つ回末家の李花子と親しくなります。
へびの加護と持ち前の頭脳と話術を駆使して陽明は勝利を目前としましたが、人狼であった千枝実が宴の最中に銃を取り出して殺戮を行い陽明は死に戻りせざるを得なくなりました。
そこで死に戻ってから銃に細工をすることで未来を変えることで殺戮を阻止し、見事陽明たち人間チームが勝利します。
陽明は村を出て再び李花子を迎えに村に戻りますが、まさかの村人全滅の状態で発見され陽明も命を落とすことになります。
③人狼ルート
今度はトイレに閉じこもったあの日に殺された取材に来ていた人2人ともを助けました。
これによって参加人数は最大の16人となり、再び人狼や加護の振り分けが行われました。
その結果、陽明は人狼に選ばれてしまいます。
他にも2人人狼に選ばれた村人がいますが、話術で人を騙すこのゲームに向いている性格ではありません。
つまり、陽明はハズレのチームを引いてしまいます。
それに加えて助けた取材班のうち1人はかなり頭が切れてさらなる脅威となります。
いきなり人狼だからと言われただけで人殺しに迷いがなくなる人選ミスの2人に挟まれ、どんどんと殺人に抵抗がなくなる陽明。
同じチームうち1人である高校生の巻島 春は時折神様が憑依して陽明を惑わせます。
そして陽明は春と一緒に悪にとことん染まることを決意し、仲間を見殺しにしながら見事勝利を収めることとなります。
転:大いなる陰謀が出現
人狼チームとして陽明が勝利を収めると一体の山を覆うほどの巨大な化物が出現します。
そこに死に戻りの度に出現していた羊のマスコットキャラクターが現れ、この危機から脱するために再び死に戻りを行います。
ここから陽明の真相解明の旅が始まります。
それは各村人の真相に迫る旅でもありました。
まず向かったのは村に初めて来た日の夜、千枝実と宅飲みをしていたタイミングです。
ここで千枝実も陽明と同じように何度も死に戻りをしていることを言い当てます。
初めての理解者に救われる千枝実でしたが、二人になって脱出の糸口を探すも手掛かりは見つかりません。
次第に千枝実は出会い頭に陽明を殺すようになり、狂っていきます。
そうしてお互い自分が死ぬことへの恐怖さえも失っていきます。
しかしある時気が付きます。
自分が死んでも相手の時間はまだ続いているということを。
つまり、千枝実が死んでも陽明は巻き戻ることなく時間が進んでいたのです。
それは自分たちの死以外に時間が巻き戻る要因があるということであり、黒幕につながる重大な手掛かりとなりました。
次に向かったのが4大名家の1つ能里家の屋敷でした。
この家に1人住む清之介は嫌味を言う性格のため人狼ゲームではずっと人間だったのにも関わらず何度も殺されていました。
そんな彼の屋敷の地下には隠し部屋があり、歴代当主によるこの人狼ゲームの歴史が記されていました。
これにより何故ここの村はここまで貧しくされているのか、人狼ゲームを行う理由を知ることとなります。
藤良村には人狼チームが行われる休水と上藤良という二つの区画からできており、休水は部落差別を受けているエリアです。
このように明確な差別を行うことで上藤良の人たちはマシな暮らしができていると感じることができます。
ところが休水の村人がある日上藤良の村人を大量殺人する事件が起きてしまいます。
こういった悲劇が繰り返されないように、敢えて内乱を起こして休水の体力を削ろうとしたのが人狼チームの始まりでした。
つまり、人狼チームは上藤良の名家たちによって人為的に行われていたものだったのです。
その次には過去2回人狼ゲームに参加して生き残った巻島 寛造のところに行き、過去の人狼ゲームの話を聞きます。
そこである人物について確信を得ることになります。
その人物とは狼じじいという痴呆が入ってまともに会話もできない人物でした。
陽明はトイレに閉じこもったあの日に戻り、地下用水路の中の隠れ家に住む狼じじいを見つけます。
狼じじいは痴呆のフリをしているだけで、実はこの人狼ゲームの主催者と手を組んだスパイでした。
巻島同様に過去2回の人狼ゲームを生き残ったのもそれが理由でした。
加えて過去に藤良村で起きた大量殺人の犯人であり、霧の中で見た半人半狼の正体でもありました。
これで必要な情報はすべて手に入り、再び山を覆う巨大な化物の場面に戻った陽明は羊に頼んでいつも戻る日付よりもさらに数日前に戻るようにお願いします。
しかし実は死に戻りを行っていたのは羊ではなく黒幕であり、羊は陽明が死に戻りをしても記憶を保持できるようにしていただけでした。
それでも無理を言ってスタート地点をさらに前にするように陽明は頼みます。
羊にとってそれはできないことはありませんでしたが、ループの起点を変えることで黒幕に自分の存在がバレることになるのでこの先は記憶の保持はできなくなると告げます。
それを受け入れた陽明は最後のタイムリープに臨みます。
結:解決編
無事ループの起点よりも数日前に戻ることができた陽明は必要な道具を手に入れるために最初に立ち寄ったコンビニに行きます。
そこにはいつもの店員さんがいるのですが、実はその人こそが羊の正体でした。
加えて陽明の分かれた彼女であり、プレイヤーにとっては驚きの連続となります。
元カノ兼羊である美辻(みつじ)は特殊能力を持った存在としてある組織に所属しており、藤良村での異変の調査のために潜伏していたところ偶然陽明がやって来たので村を案内していたのです。
最終決戦に臨む陽明はここで必要物資を手に入れ、村に向かいます。
しかし村に入って陽明は隠密行動を取ります。
それでも迷子の子供で人狼ゲームにもずっと参加していためー子と千枝実には見つかってしまいます。
それでも陽明は自身の存在を村人に知らせないように取り計らい、崖の中にある祠をひたすら掘り起こしました。
そして人狼ゲームの開始の合図とも言える霧が立ち込めたとき、千枝実によって集められた村人たちの前に神が出現しました。
それは陽明が祠から掘り当てたかつて人柱となった人の狼の被り物を被った姿でしたが、村人は神様だと思い込みます。
そして人狼ゲームを取りやめるように訴え、千枝実の手によって銃殺されることで人狼ゲームは必要ないことを示しました。
実際には千枝実の銃には空砲が詰められており、陽明は無事でした。
その後村人たちは美辻の案内で突然の熱海旅行(!?)に出発します。
こうして村人たちが殺し合いをする必要がなくなりました。
次にこの事件の黒幕のところへと向かいます。
その正体は回末 李花子でした。
李花子は長者代々伝わる怨念を晴らすためにこのタイムループを画策しました。
陽明が見た巨大な化物を出現する条件は村人が全滅するであり、それを誰かが実現するまでひたすら繰り返していました。 こと
そしてその繰り返しのトリガーは回末自身が死ぬことで発動するようになっていました。
そこで李花子は再びタイムループを発動しようと自殺を試みますが、突然その能力を失います。
これによって李花子の野望は果たすことができなくなりました。
そして最後に陽明は人狼ゲームを企画・運営していた4大名家の1つ、三車の当主に時代錯誤の不要なものだと人狼ゲームを否定し、その上村人も熱海旅行に行ってしまったため三車もゲームを中止せざるを得なくなりました。
こうして、
・村人が人狼ゲームをする必要性を感じなくさせること
・黒幕撃破
・運営による開催の中止
を成し遂げ、無事タイムループの地獄から抜け出すことができたのでした。
以上がレイジングループのおおまかなあらすじです。
これだけ書いたのにおおまかだと言えるほどもっといろいろと設定が詰め込まれています。
特に人狼ゲームを日本神話や村の風習に落とし込む設定の細かさは圧巻です。
一番やばいキャラはこいつ
レイジングループの登場人物はどれも個性があり魅力的ですが、一番やばいのは間違いなく主人公の陽明です。
このゲームはノベルゲームとして陽明の視点で話が進みます。
その中で初心者でも人狼ゲームを分かりやすく解説するために陽明は頭が切れる存在で、その思考をプレイヤーは読むことができます。
しかし人とのコミュニケーション、特に相手をからかう言い回しは普通とは異なる違和感を感じます。
また、自身がヘビとして参加したとき、千枝実を含む狼を二人明かした時に「一日一人しかこちらが殺せないなら、もう一人は手足を切って動きを封じよう」とさも当然のように発言し、周囲をドン引きさせます。
陽明自身が人狼になったときも証拠を残さないようにという論理的な理由により残虐に殺しをする様はサイコパスと言えます。
極めつけはクライマックスの黒幕である李花子と対峙したときです。
実は自身がヘビとして参加したルートは李花子がヒロインのルートでもあり、無事お互い生き残ったら主人公は李花子に、李花子は陽明に何でも言うことを一つ聞かせられると約束します。
このルートではロマンチックだったのですが、クライマックスで李花子はこれを引き合いに出し、陽明にずっと言いなりになってもらうと願いを伝えます。
しかし、それは叶うことがありません。
なぜなら彼の本名は房石 陽明ではないからです。
つまり主人公なのにずっと偽名を使っており、大学院生というのも嘘でした。
これには一本取られたと思いましたが、やはりサイコパスだと感じました。
彼の正体は小説家であり、この房石 陽明もペンネームの一つでした。
どうして村人は神様を信じたのか?
昔からの言い伝えというだけで殺し合いをしてしまうこのゲームは多くの人にとって理解しがたいものです。
ただ自分が狼チームになったからと家族や友人を躊躇なく殺せてしまうのは異常と言えます。
彼らは狼チームになったとき、村人を殺して浄化させるという大義名分を受けることになりますが、それを本気で信じ込みます。
どうしてそのようなことになってしまうのでしょうか?
その理由は本編でも語られていますが、自分が正しいことをしていると感じているからです。
極端な話、とある宗教にハマった人が神の救いという大義名分を持って自爆テロをするような、そういった思考回路が働いていると言えます。
正直にわかには信じられない話ですが、海外でもとあるミッションを毎日クリアしていき、最終ミッションである自殺さえも実行してしまうというゲームがかつて話題になりました。
これを思うと閉鎖された部落差別の集落では起こり得ないとは否定できないように感じます。
現実とファンタジーが混在して困惑
私はこのゲームをプレイしていて終盤話の内容についていけなくなりました。
それはどうしてかと思ったら、現実とファンタジーが混在しているからだと気付きました。
ストーリーの解説で紹介したように、この人狼ゲームは神様によりものだと思ったら実は人為的なものだったと明かされています。
しかし死に戻りや神様といったファンタジーは存在するものとして扱っています。
私は人狼ゲームが人為的なものと明かされて、他も人為的なものなのだと思っていたので混乱してしまいました。
黒幕である回末はラストに死に戻りの能力そのものが失われていますが、これはめー子が奪い取ったからだとクリア後に明かされます。
めー子は後に他のゲームに登場する人物らしいのですが、突然の展開過ぎますし、本編でないところで明かされるので分からないままの人もいるように感じます。
後日談も読んでおこう
このゲームには追加コンテンツとして後日談が5つ収録されています。
各登場人物のその後が描かれており、基本的に1話につき2人の話が紹介されています。
今回はGoogleゲームパスの無料期間でプレイしましたが、後日談もすべて無料で読むことができました。
あらすじは端的に書くと以下の通りです。
1. 陽明と千枝実⇒北海道でクマと神に遭遇
2. 李花子と能里⇒ラスボスのその後と男の子との出会い
3. 泰長と久子⇒きさらぎ駅で迷子
4. 近望と春⇒おばけ旅館にお泊り
5. 美辻と組織⇒組織と特殊能力
いずれも怪奇現象に関するもので、本編のファンタジーから繋がっている部分が多いです。
ただ5つ目の美辻と組織の話は本編とはまったく別の話が繰り広げられておりもはや別物に感じます。
本編ラストとめー子について掘り下げているのですが、何だか突飛な感じがします。
伝わらないことを前提に言うと、ドラマ「ケイゾク」のラストでいきなり続編の「SPEC」の設定が盛り込まれたようなときの感覚に似ています。
タイトルの意味
レイジングループは英語でRasing Loopかと思ったらREI-JIN-G-LU-Pと書かれています。
何でだろうと思ったら複数の意味が込められていたためでした。
これはクリア後に解放される裏話で知ることができるのですが、実は各ルート毎に「レイジングループ」という発音はそのままに意味や文字が異なるものが存在します。
日本語や英語だけでなく、中国語やフランス語まで登場するというもはやこじつけでは?と思えるところもありますが、タイトルへのこだわりが感じられます。
ループが最後に付いているのでループものだと分かりつつも、意味はそれぞれ違うというのはすごいなと思いました。
実際にこういった文字遊びは本編でもありました。
特に歴史や由来を紐解くところで漢字のトリックがいくつもありました。
例えば
申奈⇒申大示⇒大示申⇒大神
休水⇒休主⇒人木主⇒人柱
私は気が付かなかったので「なるほどな~」と思いながら読んでいました。
まとめ
以上がネタバレ全開のレイジングループの紹介と感想でした。
人狼ゲーム初心者の私でも分かりやすい内容でしたし、村の言い伝えという形に上手く落とし込んでかなり内容も練られていてとても面白かったです。
これが無料で遊べるなんてGoogleプレイパスの体験チケットはかなりお得だなと思いました。
それでは(^^)/~~~