こんにちは!
今回はHER STORYというゲームを紹介します。
このゲームはこれまでやってきたどのゲームとも異なっており、誰一人として同じプレイ体験はできないのではと思っています。
これは実際にプレイしてもらいたいので、今回はネタバレは控えます。
どんなゲーム?
HER STORYは2015年に発売されたゲームでスマホ、Steamなどで購入可能です。
ただし、スマホ版は日本語に対応していないらしいのでお勧めできません。
ゲームはある女性の取り調べ映像を見て、事の真相を見つけるというものです。
イメージとしてはYouTubeなどの動画サイトを検索するような感じです。
そんなのでゲームとして面白いのか?と思いますが、ゲームだからこそできる仕掛けがあり、唯一無二の体験ができるようになってます。
なお、Steamのセールの時には100円くらいにまで下がることもあるので気になる方は迷わず購入を!!
プレイ時間も数時間程度なのでサクッとゲームをしたい方にもオススメです。
上手くできた制約
取り調べの動画を見るだけならばゲームにする必要がありません。
それこそドラマや映画などの映像作品として出せばいいはずです。
しかし、いくつかの制約を加えていることからゲームとして、そして唯一無二の体験が生まれるようになっています。
一つは動画はすべて細切れになっているという制約です。
動画はある女性の何日にも渡る取り調べの映像が収められています。
その取り調べの様子が数秒から数分までの短い動画に切り分けられています。
しかしプレイヤーは検索ワードに引っかかった動画しか見ることができません。
検索ワードに引っかかる動画はそのワードが動画内で登場するものです。
この制約によって初めから最後まで通りで動画を見ることができず、プレイヤーは断片的にしか情報を集められないようになっています。
こうすることでプレイヤーは細切れになった動画を集めながら何があったのかを推理することになります。
二つ目は視聴可能な動画数に限りがあるという制約です。
視聴する動画は取り調べといった性質から、後半に連れて真相が明らかになって行くようになっています。
それならば、始めから終盤の動画だけを見るようにすれば手早くクリアすることができます。
しかしそれを妨げるのが視聴可能な動画の数を制限するというものです。
Steam版は日本語対応なので検索ワードも日本語でいいのですが、元々英語のゲームであることから「私」を検索ワードに入れればかなり多くの動画がヒットし、終盤の動画まで一気に行くことができます。
ところが、それらの動画で視聴できるのは時系列順に並べて最初の5つのみです。
つまり取り調べ序盤の動画しか見られないので全容にはたどり着けないようになっています。
唯一無二の体験と言われる理由
今紹介した二つの制約によってプレイヤーは自分で検索する言葉を考え、断片的な映像から真実を読み解くこととなります。
それはつまり、プレイヤーによってどの言葉で検索するか異なり、どの順番で動画を見るか異なり、どの段階で真相に気が付くかが異なることになります。
推理物の作品も本であれ、映像であれ、どの段階で真相に気が付くかは人によって異なります。
しかし、こういった作品はみんな物語の始まりから終わりまで同じ道筋を通る中でのお話です。
その点このゲームは始まりから終わりまでの道筋さえもプレイヤーによって異なります。
これはゲームでしかできないことですし、プレイヤーそれぞれの唯一無二の体験ができる仕組みになっています。
しかもこのゲームはある程度動画を見ると自分の好きなタイミングでエンディングに行けるようになります。
終わりも自分で決められるのはかなり自由度が高いです。
便利な補助機能
このゲームはパソコンの画面をのぞき込んだようなデザインがされており、ちょっとした機能もあります。
マインスイーパーや時計などパソコンらしさを醸し出しつつも使い道がないものもあります。
検索結果に出てきた動画で目のマークがついたものはまだ見ていないものと分かるようになっています。
一方でもう見た動画はどれなのかを知ることができるのが動画チェッカー(上写真の右半分にあるもの)です。
とはいえ、具体的にどの動画を見たのかは表示されず、マス目上の表が表示されているだけで自分が見た動画の色が変わるだけです。
そのためこの動画チェッカーからは自分が何番目の動画を見たのかくらいしか分かりません。
しかしこれがあることでパッと見て全体のどれくらいの動画を見たのかを知ることができますし、最終的にすべての動画を見るときに使います。
他にも気になる動画を保存する機能もありますが、保存できる数にも上限があります。
【衝撃】激レアな方法で進めてしまう
ここから私が実際にプレイしたときのことなのですが、ネタバレにならない範囲で書きます。
ゲームを起動すると何の説明もなく突然仮想PCの画面になるので何をすればいいのか最初は戸惑います。
しかし、予め検索ワードが入力してあるので直感的に「検索ワードを入力して動画を見ていけばいい」と分かるようになっています。
しばらく進めていくうちに新しい動画がヒットしなくなり手詰まりになりました。
そこで私は取り調べを受けている女性の名前をズバリ当ててしまいました。
何となく名前を入力したのですが、一発で当たってしまい、このおかげで一気に進むことができました。
日本人が英語圏の名前を適当に入力すること自体珍しいと思いますし、それをズバリ当ててしまうのはもっと珍しいのではと思います。
これはまさに私だけの唯一無二の体験だと言えます。
プレイした感想
視聴した動画が増えれば増えるほど「こういうことだったのでは?」とあれこれ考えるようになっていきます。
伏線もちゃんと張り巡らされており、真相に気が付いたときの衝撃と自分で気が付けた快感はとても心地よいものでした。
真相自体は賛否ある内容かなと思いますが、そこに至る過程は自分だけのものだという特別感は他のものでは体験できません。
先ほども紹介したようにある程度動画を見たらエンディングに行けるようになりますが、私は無視してさらに進めました。
その結果、自分が思っていたのとは違う真相だったことが分かっていき、あの時エンディングに行かなくてよかったと思いました。
どうか最後まで見届けてからエンディングに進んでいただきたいです。
そもそも何故この取り調べを見る必要があったのか、それは途中でエンディングを見た場合とすべての動画を見てからとではかなり印象が違ってくるように感じます。
まとめ
私の中ではこれはゲームというよりかは体験だったと感じています。
もう話の全容を知っているのでもう一度プレイしても意味がないです。
しかし再現性がないからこそ、いつまでも印象強くこのゲームのことを覚えています。
やっていることは動画検索だけなのに制約によってここまで面白くできるのかと感服しました。
この方の他の作品も気になっているのでそちらもプレイしたいです。
それでは!!