【Summer Pockets RB】あり得ないルートで攻略してしまった人の末路①

こんにちは!

 

今回はSummer Pocketsを攻略したので感想を何回かに分けて書きます。

我ながらやってしまったと思うのですが、本来ならばあり得ないルートで攻略してしまいました

一体なにをやらかしてしまったのか、その結果どのようになったのかについて紹介します。

前半は概要を、後半は各ルートの感想を書くので、未プレイの方は前半までをご覧ください。

 

Summer Pocketsとは?

というわけでまずは概要からです。

Summer Pocketsビジュアルアーツより発売されているノベルゲームです。

泣きゲーとして有名なビジュアルアーツ内のブランドKeyより2018年に発売されました。

その後2020年に新ヒロインなどを加えたバージョンアップ版のSummer Pockets REFLECTION BLUEが発売されました。

対応機種はPC、スマホ、Switch、PS4(Steamは無印版のみ)で今回はスマホアプリでプレイしました。

 

ストーリー

主人公は男子高校生の鷹原 羽依里(たかはら はいり、以下ハイリ)が瀬戸内海の鳥白島で様々なひと夏の思い出を作るという話です。

「様々なひと夏の思い出」というのは、ヒロインごとのルートによって物語が大きく異なるためです。

しかし基本的にそのヒロインと出会って、一緒に何かして、問題を乗り越えて夏が終わるという流れは同じです。

ハイリは男子高校の水泳部なのですが、とあるトラブルきっかけで逃げるようにこの島にやってきた背景があり、各ルートでそれと向き合うこととなります。

 

スマホ版にした理由

この作品はいろんな媒体でプレイできるのですが、あえてスマホ版にした理由はズバリ一番安かったからです。

しかもスマホ版はヒロインのうち一人のしろはのルートだけは無料で遊ぶことができ、後はルート毎もしくはまとめて購入できます。

というわけで、ちょっとどんな感じか試してみたい、買うことになっても安いということでスマホ版にしました。

ちなみにプレイ時のスマホ版の料金は、では無印はおよそ1500円、REFLECTON BLUEは3800円でした。

しかし、スマホ版はミニゲームがプレイできないという欠点がありますが、正直なくても気になりませんでした。

 

スマホ版のいいところ悪いところ

これはネタバレでもないのでここで書いておきます。

【いいところ】

持ち運びしやすい

中断しやすい

安い

【悪いところ】

初期ダウンロードが大変だった

 

まずはいいところですが、やはりスマホなので持ち運びが便利です。

と言いつつも私は話に集中したいので家でしかプレイしませんでしたが、外出先でもプレイできるのはお手軽で重宝できます。

次に中断しやすいということですが、ノベルゲームなので自分の好きなタイミングでセーブはできます。

これは他のゲームでも同じなのですが、この作品について言えば話の区切りが多いので「ここまでいったら終わろう」と辞め時を見つけやすかったです。

具体的には夏休みの話なので日付がこまめに変わります。

なので「この日が終わったら今日はやめよう」と決めやすかったです。

これはちょっとしたスキマ時間に進めるのにも向いていると思います。

値段が安いというのは先ほど触れたとおりです。

 

反対に悪いと思ったところは初期ダウンロードが長いことです。

確かにしろはルートは無料ですが、初期ダウンロードはその他のルートを含めたソフト一本分をダウンロードします。

つまり課金する予定がない人でもデータだけはすべて落とすことになります。

その上での問題だったのがダウンロード中にエラーが発生すると最初からやり直しになることです。

他のゲームだとダウンロードが中断になっても続きから再開できます。

しかしこのゲームは毎回初めからやり直しで一晩ダウンロードした結果やり直しになったこともありました。

ちなみに初期ダウンロードは無印版の話で、アップグレード版のREFLECTION BLUEにするときはさらにダウンロードをします。

この時はエラーもなくスムーズにダウンロードできました。

 

結局すべて買ってしまった

一人分のルートは無料で遊べるということで試しにプレイしてみましたが、自動でその子のルートに入るわけではありませんでした。

というのも、私の場合は違うこのルートに入ることになり、ここで課金しないと読み進められなくなってしまいました

そのルートがREFLECTION BLUEに追加されたシナリオだったのでその場ですべて一括購入しました。

スマホの買い切りにしては高いなと思いつつも終わった今では買ってよかったと思います。

 

ネタバレなしの感想

私はこのゲームをプレイ前は「いろんなひと夏の思い出」を味わわえてくれるのだろうなと思っていました。

実際その通りで、各ヒロインといろいろな夏を体験できます。

そして自分の子供の頃ってどんな感じだったっけなんて思い出してしみじみするものだと思っていました。

それもこの作品の醍醐味だったのは間違いないのですが、正直ネットでオススメされるほどでもないかなと思っていました。

しかし、トゥルーエンディングとも言える物語によって私の中での評価は一変しました。

まさかこんな壮大な物語が隠されていたとは、これは実際にプレイして体感していただきたいです。

 

 

ネタバレありの感想

それでは、ここからはネタバレありの感想です。

まだ未プレイの方はここから先、立ち入り禁止ですよー。

 

プレイした順番

私は攻略情報など一切見ないで自分が思うままの順番でルートを攻略して行きました。

正直すべてのルートが終わるまでどのヒロインが無印版で、どのヒロインがアップグレードで追加されたのも知らないままプレイしました。

 

その結果、以下の順番で攻略しました。

うみ⇒鴎⇒静久⇒蒼⇒美希⇒識⇒紬⇒しろは⇒Pocket(中断)⇒ALKA⇒Pocket(再開)

 

プレイした方ならばお気付きでしょうが、ALKAとPocketの順番を間違えました

普通ならあり得ない間違え方だったと今ならばよく分かります。

なぜ間違えてしまったのかというと、タイトル画面にどちらも表示されており、どっちが先に出てきたのか忘れてしまっていたからです。

その結果どうなってしまったのかは後程語ります。

その前に各ルートの感想です。

 

うみルート:ぼくのなつやすみ

Summer Pocketsは一日のうち午前、午後を誰と過ごすかでルートが決まります。

つまり、狙いたいヒロインと過ごすことに集中すれば簡単にルートが確定するのでゲームという点ではとても簡単です。

が、私は何となくその時々に気になったところを選んだ結果うみルートが最初になりました。

このルートは特定のヒロインのルートが確定しない場合にたどり着きます。

このルートが確定した時点で課金を迫られたのですが、お気に入りのキャラクターだったので即購入しました。

 

うみはハイリと同様に親戚の加藤家にやってきたはとこです。

小学生の女の子の割には言動もしっかりとしており、料理(チャーハンのみ)も上手です。

家事もしっかりとこなしており、高校生のハイリよりもできる子です。

うみは一緒に住んでいることから毎朝晩と会話シーンがあるため接点も多く、愛着がすぐに湧きました。

そのため、うみルートに入った時は嬉しかったです。

 

うみルートの見どころは立てこもり事件です。

ハイリがうみの恥ずかしいところを人に話してしまったことを発端に他の島の子供たちと結託して秘密基地に立てこもってしまいます。

これを見ていて「僕らの七日間戦争」を思い出しました。

立てこもり事件も親たちの手によってあっけなく解決するのですが、その場に親がいないうみに対してハイリが親のように叱ります。

このルート全体で感じたのはうみの親のネグレクトぶりに腹を立てたことと、ハイリもまだ高校生という子供なのに妙に大人ぶっているのがなんだかなぁということでした。

これも後々繋がっていくのだとはこの時は思いもしませんでした。

 

立てこもり事件の後はハイリの過去の克服が描かれます。

水泳部だった彼は、自分のせいで大会で負けたことから素行が悪くなりついには停学となってしまい、祖母の遺品整理という名目でこの島に来ました。

しかし部員たちはハイリの帰りを待っていることをテレビを通して知ったハイリはブランクを取り戻そうと毎日泳ぐようになり、ブランクを取り戻して島を後にします。

このゲームでは様々な形でハイリは泳ぐことと向き合うのですが、私はこのパターンが一番好きでした。

 

私のように初手うみルートには行った人も多いだろうと思いますが、ハイリの過去がちゃんと描かれていたのでその後のルートでもこの部分の理解はすんなりできたので最初に読んでよかったです。

また、他のヒロインと違って子供に焦点が当てられているので小学生の頃の夏休みを思い出しました。

 

鴎(かもめ)ルート:我ら猫ひげ団!!

うみルートをプレイして特定のヒロインを集中して選ばないといけないことに気が付き、先が気になっていた鴎ルートを次のヒロインに決めました。

 

鴎ルートは冒険の物語です。

鴎と共にハイリは島に隠された宝を見つけに行くという、子供の頃のワクワクを思い出させてくれる内容でした。

宝箱を開けるために暗号を解いて4つの鍵を見つけ出し、中から地図を見つけます。

その地図の示す場所にあるという海賊船を目指して冒険するというまさに「夏の思い出」にはピッタリな体験だと思いました。

線路を歩いている様子は映画「スタンドバイミー」を彷彿とさせましたし、ハイリの度々感じる既視感(へじゃぷ)は実は過去にハイリはこの島に来たことがあるのではと感じずにはいられませんでした。

しかし宝の地図の記された場所にたどり着いた場所には海賊船ではなく割と新しい船がありました。

そしてここで鴎は突然姿を消します。

ここで「あれ、このゲームはファンタジー要素があるの?」と感じました。

うみルートはそういった要素はなかったのでビックリしました。

 

鴎の行方を探す果てにハイリは鴎の母親に会い、鴎は遠い国で寝たきりになっていることを知ります。

そして鷗と一緒に探した鍵や宝の地図、冒険の最後に見つけたなりそこないの海賊船は鴎の母親が作った本の内容を鴎のお願いで再現したものだったと知ります。

ハイリも昔その本を読んだことがあったことから鴎との冒険に既視感を感じていたのです。

鴎はこの再現した冒険を読者たちに体験してもらうサプライズを考えていましたが、海賊船が出来上がる前に潰えてしまいました。

そこでハイリは島の仲間と協力して海賊船を完成させ、かつての読者たちに手紙を出して鴎の代わりにサプライズを実現したのでした。

 

というのが大体の内容ですが、冒険ものは単純にワクワクしますね。

まさに童心に戻ったように感じながら読んでいました。

そして海賊船に着いて終わりでなく、さらにその先まであるのもよかったです。

また、ここで(私の中では)初登場した虹色の蝶が何か秘密を持っているぞと感じました。

 

余談ですが、鴎はどうして黒い服なのだろうとずっと思っていました。

鳥のカモメは真っ黒ではないので見た目はむしろカラスのようだと思っていました。

もしかしたらしろはと対になるものがあるのかなと思ったのですが、それもなさそうに思います。

と思ったら制服にケープを羽織ったらカモメみたいな色になりました。

つまり、もし鴎が元気ならばこのような服装で学校に通っていた可能性もあったのかもしれないという意味なのかなと勘ぐってしまいます。

きっと理由を聞いても「教えてあげないよ、ジャン♪」と濁されてしまうことでしょう。

 

静久ルート:他人のために作った自分

次に選んだのは静久ルートでした。

この頃からヒロインを「島内」か「島外」かで分けるようになりました。

事前情報を一切なくプレイしていたので島外のヒロインはアップグレードで追加されたものと考えていました(全クリした後にこれは間違いだと知りました)。

その中でうみ⇒鴎と島外のヒロインをプレイしてきてさらにもう一人静久も島外メンバーとしてプレイすることにしました。

 

静久ルートは友情の物語と捉えています。

静久はハイリ、紬の三人で夏休みの間海の家を開くことにします。

静久は事あるごとにおっぱいのことを話す変な人ですが、元からの知り合いの人たちはそれを信じません。

実は静久は高校で生徒会長をしており、お悩み相談もするため人格者だと思い込まれてしまっています。

そのため、おっぱいなんて言うはずないと思考が受け付けないのです。

そのように周りに思われているのは、静久が周りがそう思っていることを知っており、そうあり続けるように自らを演じているからです。

 

実は、この静久の人間性の部分は自分も同じようなことがあったので他人事には思えませんでした。

学生時代、私は真面目人間でした。

自分でもそう思っていましたし、誰に聞いても私のことを真面目だと言っていました。

その結果、友人の中から私は間違ったことを言わない、変なことを言わないと思い込む人が出てくるようになりました。

そしてある日、私が冗談を言ったときその友人は真に受けてしまいました。

すぐに冗談だよと言ったのですが、私が冗談を言うはずはないと聞き耳を持たれませんでした。

この時に、本当の私はふざけたりしたいのに、周りのイメージの通りに自分を演じてきたせいでそれができなくなっていると感じました。

そういったことがあったので、静久がハイリや紬といった出会って間もない人にはふざけた部分を見せるというのは本当の自分を曝すためだというのが痛いほど分かりました。

 

しかし静久はそれに加えて天才肌のため周りから妬まれることとなり、その結果悲し記憶や恋愛感情を忘れてしまうようになってしまいました。

そのせいで晴れてハイリと恋人になっても次の日にはその事実すら忘れてしまい、母親に叱られた次の日も何事もなかったように振舞います。

悲しいことを忘れるというのは現実逃避の症状としても、恋愛感情も忘れるなんて何だか映画50回目のファーストキスを思い出しました。

この映画はハワイが舞台の洋画で、記憶障害が昨日出来事をすべて忘れるヒロインに男性が毎日告白し続ける話で長澤まさみ山田孝之のリメイク版が邦画として作られました。

私は洋画版しか見ていませんが、あの映画も勇気を出した告白も、初めてのキスもすべてなかったことにされた主人公のやりきれない悲しみはこの静久ルートでも共通していると感じました。

 

記憶が抜け落ちるのは神様に昔お願いしたせいだと思うものの、結局は自分の心の持ちようが原因でした。

怪異が原因なのか?物語シリーズ突入か?と思ったのですが違いました。

悲しい記憶を消さない方法として紬が考えたのは、夏休みを辛い記憶にさせることでした。

3人で過ごしたこの夏休みは酷いものだったと嫌なことを言うことで紬は静久にこの夏休みそのものを嫌な思い出にしようとしました。

もしその通り静久にとって嫌な思い出となってしまうとこの3人で過ごした夏休みすべてを忘れることになってしまいます。

それは言うまでもなく3人にとって一番避けたいことです。

しかし敢えて嫌な思い出にすることで悲しい記憶を消すことを止められるのではないかと、どちらかというと止めたかったのです。

 

このシーンで紬は泣きながら嘘を吐き続けます。

ちょっと先取りなのですが、実は紬ルートで紬はたとえ嘘でもハイリと静久のことを嫌いだなんて言えないと泣き出すシーンがあります。

そこを踏まえると紬が嘘をつくことは途轍もなく辛いことであり、その上もしかしたら静久に夏休みの思い出そのものを忘れられるリスクがあったので本当に辛いことだったのだと感じられます。

それでもそうしたのは、静久に悲しい記憶と向き合うようになってほしいからです。

夏が終わればハイリも紬もあるべき場所に帰ってしまい、3人で遊ぶ夏は二度と来ません。

そのため自分たちがいなくなっても悲しい記憶から逃げずに前を向いてこの先生きてほしいからこのように嘘を吐きました。

その結果、静久は悲しい記憶を忘れることもなくその後生きていくこととなります。

 

月並みな表現ですが、友情って素晴らしいなと感じました。

悲しみと向き合えるようになった静久は今後一層優しい人間になっていくだろうと思います。

 

蒼ルート:無限に夢幻を彷徨う夜

虹色に光る蝶についてこれまでのルートを読む限り蒼が詳しそうだということで次は蒼ルートを選びました。

その予想は的中しており、人の記憶の残滓が七影蝶という蝶の形として現れることがここで判明しました。

 

蒼ルートはずばり姉妹愛が描かれています。

自分のために寝たきりになった双子の姉の藍を救うために蒼は毎晩、藍の記憶の七影蝶を探しているところにハイリが同行するというのがこのルートの話です。

蒼は日中寝てばかりのキャラとして最初から登場していますが、それも藍の七影蝶を探す影響だったと意外としっかり理由がありました。

七影蝶は触れるとその人の記憶を追体験することができ、蒼は手あたり次第七影蝶を触っていきます。

その記憶の整理を脳がするためにどうしても寝てしまうというのがお昼寝キャラの理由でした。

 

最終的にハイリが藍の七影蝶を見つけ、無事に藍は目を覚ましますが、それと引き換えに今度は蒼が寝たきりになります。

しかも寝たきりのまままさかのエンディングに突入

え、これで終わりなの?と思ったら最後はちゃんと目を覚ましてハッピーエンドでした。

ハイリは夏休みが終わって地元に帰っても引き続き島を訪れ続けて翌年の夏に蒼は目を覚ましました。

その献身的なハイリはカッコイイですね。

 

蒼はコメディシーンには欠かせない存在ですが、その一方で姉のためにずっと一人で頑張っていたというギャップがすごく来ますね。

公式のサイドストーリーでなぜキツネのイナリが人の言葉を理解できるのか、なぜ蒼にこんなにも懐いているのかが明かされているのでオススメです。

 

個別ルートについて書いていたら長くなったのでここで区切ります。

次回は残り4人の個別ルートを紹介します。

それでは!!